大きな組織と小さな個人が対峙することになると、ほとんどのケースでは大きな組織が勝つことになります。民主主義も多数派になれば勝ちますが、少数派になると意見は通らなくなるものです。
ICT技術が進み誰でもが発信力を持ち、ダイバーシティといわれて多様化が認められるようになると、少し状況が変わって来たようにも感じます。それでも大きな組織が有利であることは変わりません。
生産者と消費者という立場も同じことです。世界がグローバル化の時代になって、企業の規模も大きくなりました。それだけに消費者の力はより小さくなり、生産者の論理が通ってしまうこともあります。
こうした消費者の立場を守るために、4つの権利を定めた人がいます。それも、半世紀以上も前の人です。アメリカの第35代大統領であるケネディです。その提言は、今でも揺るがないほどのものです。
消費者の4つの権利とは、
❶安全であること
❷知る権利
❸選ぶ権利
❹意見をいう権利
です。
なにものにも優先して、その製品が安全であり、怪我や事故を招かないものであることは、生産者が注意しなければなりません。車のリコールなどは、このような考え方から制度化されたものです。そして、それらの情報を知る権利も当たり前の権利なのです。
生産者側は資本が大きくなるほど、自社のイメージを高めるために広告を利用しますが、それは生産者の言い分でしかありません。
住宅の業界でも、強い家とか丈夫な家という言葉だけでは、本当に安全を考えているとはいえません。そしてどの住宅会社でも、同じように強くて丈夫な家を建てることはできるはずです。広告で表現された言葉よりも、どれだけ消費者の知る権利と選ぶ権利を大切にしているかが、対等にお客さまと向かい合っている企業であるかを表しているのです。