サスティナブルとは持続可能なこと。
残念なことに人類の歴史の中では、人が集まる都市の周辺で、森林を伐採し尽くして絶えてしまった文明も数知れずあります。開拓は地球環境の破壊以外のなにものでもありません。
毎年生長してゆく樹木の尊さを、私たち人間が受け入れて共存するためには、どうしたら良いのでしょうか。
もっとも単純な答えは、樹木が生きてきた年数と同等の使い方をすることです。
たとえば、60年材を使うのであれば、少なくとも60年間は使うことです。その間には、次の使うべき樹木が育ってくれます。そうすれば持続可能であることは確かです。
カーボンニュートラルという考え方では、数十年育てた材が一瞬で燃やされても、数億年もかけてできた化石燃料を燃やすよりも、中立であると考えます。でも、育つ以上に費やしては、結果的には持続可能とはなり得ません。
残念ながら、樹木はすべて丸太の材として使われるわけではなく、切り落とされ使われない部分もたくさんあります。木材資源の中で、現実に使われているのは3割ほどといわれています。
たとえば、その3割ほどの材料で、60年間生長してきた分の価値を担うと考えれば、さらに長い使用期間使わなければならないことになります。
60年 ÷ 30% = 200年
この計算をすると、200年という数値が導かれます。
今でこそ、まるで使い捨てのように家を建てて壊していますが、ほんのちょっと前までは、日本の古民家は普通に数百年も長い期間にわたって使われるものでした。サスティナブルな時代には、将来の古民家になるような家づくりが必要とされています。