2018年2月5日月曜日

柊屋さんの庭

京都の柊屋さんに行く機会がありました。創業200余年で、川端康成、三島由紀夫、チャールズ・チャップリン、アラン・ドロン他、数知れぬ方々が泊まられたそうです。


その表向かいに創業300余年の俵屋旅館は、京都で最も古い旅館のひとつ。あのアップルのスティーブ・ジョブスの定宿だったといわれています。


その柊屋のおかみさんはとても優しく丁寧に御挨拶していただき、なるほどおもてなしの日本を感じました。


柊屋は今回、私は食事だけで泊まりはなしです。でも、お部屋を紹介していただき、趣、歴史に感動。新しく作られた大広間の3面は総ガラス張りで、一面は鴨川をあしらい、また反対側には少しだけ低い板の間の舞台を作っています。周辺には季節の緑をあしらい、まるで別世界に入ったような感じです。





今回、皆様方にお伝えしたかったのはその仕組みです。限られたスペースに中と外を一体にしたやすらぎ空間を作るには、塀がとても大事だと思いました。目線には、お隣さんの建物が邪魔をしますので、少ししかないスペースに高い塀を作らないといけません。建物から狭いテラスの外に出てみると、鉄骨で塀を支えられ強度を保っています。


たとえ少ないスペースでも、いいえ、少ないスペースだからこそ、工夫によって心地感や理想的な空間はできあがっているのです。また、ものすごいエネルギーで考え施工された作品なのですね。写真は俵屋旅館の2階の客室ですが、まるで1階のような庭が見えます。京都の長き伝統、歴史、また数知れぬ空間に鍛えられたものが技によってできていると感心しました。


都会の少ないスペースだからこそ、家と庭の更なる進化を願い、健康で豊かな暮らしを演出できる空間を自分の自宅にも考えてみてはいかがでしょうか。