オリヅルを折ったことがある人は多いと思います。折り紙は子どもの頃から慣れ親しんだ遊びのひとつです。
ところで、この折り紙の本を探そうと思ったら、じつは洋書店に行くのがいちばんです。’ORIGAMI’は普通の単語になり、子ども向けではない専門書もたくさん発行され、宇宙開発の技術にまでも応用されています。
正方形の折り紙を対角線に折ると、√2の寸法ができます。1:√2の長方形は、一般に使用されているチラシやコピー紙のプロポーションです。この比率にすると、半分にしても、さらにその半分にしても、あるいは2枚をつなげて倍にしても、同じプロポーションになります。この比率を、白銀比と呼びます。
ピラミッドやミロのビーナスなどに、黄金比が使われているという話は有名ですが、この白銀比というのも、人類が伝統的に使っている比率の一つです。日本の桂離宮や能面のプロポーションにも、これらの黄金比・白銀比が使われています。そして、特に日本の建築物では、白銀比が多く使われていることから、大和比と呼ばれることもあります。もちろん、折り紙でも大和比は随所に使われています。
当然のことながら、昔からの大工は、この大和比を駆使しています。大工の使っている曲尺には、表目と裏目があり。裏目には大和比の目盛りが刻まれています。表裏を自在に使えば、丸太と角材の寸法を計算して木を組み合わせることができます。そして、美しく見える大和比のプロポーションが自然と生まれます。
今でいえば、大工の棟梁は、最先端のコンピュータ技師であり、数学者であり、芸術家でもあったのです。ですから、町の頭領としての尊敬も集めていました。それが大統領の語源にもなります。
もし手元に、紙切れがあったら、無造作に折り目をつけて遊んでみてください。ふと驚く寸法の一致が見つかるはずです