2017年10月16日月曜日

男蔵と女蔵

知らない街を移動している時に、蔵を見つけると嬉しくなります。新築したばかりの蔵は、ほとんど見かけません。ですから蔵が建っている街角には、ずっと昔から人が住んでいたという息吹を感じられるのです。


おそらく家に残したい財たからがあって、建てられたものです。町が火災があっても蔵が財を守り、水の侵入や湿気にも強い建物です。


ところで、その蔵に、男蔵と女蔵があることはご存知でしょうか。それは屋根のかけ方の差です。ですから、蔵ではなく屋根のかたちを、女屋根や男屋根と呼ぶ場合もあります。


蔵の漆喰の外壁が、屋根の軒天まで当たっているのが男蔵です。(写真)それに対して、まるで屋根が浮いたように載せてあるのが女蔵です。女蔵では、屋根面も一度漆喰でしっかりと固めた上に、さらに屋根を置きます。そのため、置き屋根ともいわれます。


男蔵



幾重にも防水がしてあるので、女蔵は防水性は高いのですが、単純に載せているだけですから、風で飛ばされる可能性もあります。飛ばされないように、重たい瓦で葺いてあります。


どうして男と女を分けてあるのかはわかりません。また、地方によって傾向があるものでもなく、どの地域にも女蔵や男蔵が混在しています。


ある町の豪族の家には、敷地内に何棟もの蔵が建っていました。その豪族の家は子々孫々、女系が栄えて家主になっていると、文化財の案内文に書かれています。その屋敷の蔵を見ると、すべて女蔵でした。しかも風水では女の方向であるといわれる西側に集めて建てられていました。不思議な影響もありそうです。


そんなことを考えると、町中で見つける蔵の屋根を見るたびに、その家がどのように栄えているのか気になります。